2012年12月1日土曜日

(嘉田滋賀県知事)「嘉田知事らしくない しなやかさなくした「卒原発」」:{イザ!}



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嘉田知事らしくない しなやかさなくした「卒原発」」:イザ!



嘉田知事らしくない しなやかさなくした「卒原発」

2012/11/30 12:02更新

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 【from Editor】
 動いたな。滋賀県の嘉田(かだ)由紀子知事(62)が衆院選公示を直前に新党「日本未来の党」を結成したことへの率直な思いだった。
 原子力政策について「3・11以降、初の国政選挙となる衆院選で、国民的議論を期待する」というのが主な理由だという。
 嘉田知事の原子力政策についての知見を知っていたから、「動いたな」と思ったのではない。
 今年6月まで1年8カ月、大津支局で勤務し、毎月、必ず顔を合わせていた。ひと回り以上も年の差があったが気力、体力、行動力はまったく及ばなかった。「政治家はすごい」。いつも感じていた。関西広域連合での発言など彼女の思いは県政の枠をも超えていた。地方の行政に飽き足らなくなっていると感じていた。だから、「動いたな」なのだ。
 想定内とはいわないが、ありえない流れではない。しかし、気になることがある。
  原子力政策について嘉田知事が提唱しているのは“卒原発”。この卒原発は元滋賀県知事で元官房長官の武村正義氏(78)が昨年6月、京都大学での講演で 使った。「言葉の感覚として近い」と嘉田知事は武村氏に断った上で、以降、さまざまな場面で「滋賀から生まれた卒原発を広げていきたい」と訴えていた。東 日本では静岡県三島市議の古長谷(こながや)稔さん(41)が使っていたが、関西では2人が先駆けだった。
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記事本文の続き  卒原発は、代替エネルギー、電力会社の経営など課題を解決しながら原発依存を卒業するという意味だといった。「脱原発」でも「反原発」でも「非原発」でも ない言葉に性急ではないしなやかさを感じていた。実際、昨年6月に原発依存卒業までの期間を嘉田知事に尋ねると「まだまだよちよち歩き。卒業までは何十年 とかかる」と、40~50年後を見据えた現実的な回答をしていた。
 ところが、ここにきて卒原発に関し、「できるだけ速やかに原発をゼロにする。見通しとして2022年を考えている」と10年以内の脱原発実現を目指す考えを明らかにした。どうしたことだろう。
 単位が取れなければ卒業できない。課題が解決できなければ留年もある。それとも、政権を取ればそれだけで単位が加えられるとでも勘違いしているのだろうか。
 考えを変えることは誰にでもある。ただ、しなやかさに好感をもっていただけに残念だ。嘉田知事らしくない。おかしな風に乗って、飛んでいってしまったようだ。(大阪総局長 野瀬吉信)

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